過ごし方

【書評】新しい文章力の教室【絶対オススメ!】

さて、本日は僕がブログを始めるにあたって、「コレは読んでみたいなぁ」と思っていた本の紹介です。

どうしたらスラスラと文章が書けるようになるんだろう?
どうしたら読みやすい文章になるんだろう?
良い文章と悪い文章の違いって何だろう?

ブログに限らず、SNSの投稿など、文章が上手い人、もっと読みたくなる人、最後まであっという間に読み終わる文章、などなど、「うまい文章」に出会うたびに


自分も。。。




と思った事があるのではないでしょうか?

僕も含め、そんな悩みや疑問をお持ちの方にオススメなので本日ご紹介する「新しい文章力の教室」です。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

まずはどういう本なのか。

こちらは初版が2015年と少々古い本になりますが、内容はというと全く古くありません。

いつの時代にも通用する非常に有効性の高い内容となっています。

WEBでお馴染み「ナタリー」において長年、新入社員向けのトレーニングを担当されてきた唐木 元さんが築き上げてきた「良い文章を書けるようになるための基本」を余す事なく詰め込んだのがこの本です。

この本は本当に有名で、いろんな方がオススメされています。っかういう僕も、ネットで「この本を読むべき」と書かれているのをみて手に取りました。

それくらい有名な本だから、さぞかし良いんだろうなと、最初は軽い気持ちで手に取りましたが、結果は「買って正解」「読んで正解」でした。

良い文章とは完読される文章である

はい、いきなりです。

いきなりの本質!「良い文章の定義」が本を開くといきなりぶっ込んできます。

この一文だけで、この本を買った価値があるんやないか?と思ってしまうくらい、核心をついた答えだと思いました。


本書では「良い文章=完読される文章」というのを根底に位置付けて話が進んでいきます。

例えも非常に秀逸でわかりやすく、「完読される文章=完食されるラーメン」に例えられています。

逆もまた然りで、「ダメな文章=食べきれないラーメン」ということになり、

◎食べ切れないラーメン◎◎ダメな文章◎
量が多い文章が長過ぎる
麺が伸びてるタイムリーな話題ではない
麺の喉越しが悪いリズムが悪い
虫が入ってる誤情報が入ってる
店内が汚い誤字や用語の不統一
具がなくて短調繰り返しばかりで飽きる
食べたい味じゃなかった求めていない内容
味が濃すぎ主張が強すぎ
逆に味が薄すぎ得られるものが無い

このようにうまく置き換えられています。

すなわち、これらの逆を行けば「完食されるラーメン=完読される文章」に近づく事ができるというもの。


いや、これがまた簡単なようで難しい。。。

誤字や脱字なんかも見直しているにもかかわらず存在しますからね。

マサキチの店は汚いということか

そんなわけで、兎にも角にも「完食=完読を目指す!」

コレが本書の趣旨であり、最終的に我々が目指すべきゴールとなっています。


自分のレベルに合わせて学べる!「新しい文章力の教室」の内容

本書では以下の内容に分かれています

  • 第一章 書く前に準備する
  • 第二章 読み返して直す
  • 第三章 もっと明快に
  • 第四章 もっとスムーズに
  • 第五章 読んでもらう工夫

コレら一章〜五章はいわば基礎から応用編までをレベル順に網羅されていますので、今の自分の能力に合わせて膝下学んでいく事が可能となっています。

例えばコレからブログを始めたい。という僕のような場合だと「第一章」を読んだだけでも今すぐ使えるような内容が非常に多く、とても役立ちました。

それでは各章がどのようなものなのか、順にみて行ってみたいと思います。

第一章 書く前に準備する

完読される文章を書くためにはしっかりと準備をしよう。

完食されるラーエンを作るためにはしっかりと「下ごしらえ」を。という事ですね。

僕は結構コレが苦手で、行き当たりばったり、いきなりエディタに書き込んでいくというようなやり方でブログを書いていました。コレは本当に良く無いなと実感しました。

何といっても構成もクソもあったもんじゃ無いんですよ。

どういう感じにこのブログ文を組み立てて。。。というものを全く意識していませんでした。


スムーズに、悩まずに書くための手法が分かりやすく書かれており、コレを読むだけでも随分と文章が変わる事間違いなしです!


第二章 読み返して直す

コレもそのままの内容で、しっかりと読み直して、誤字などは直しましょう。

そして文章の読みやすさやテンポなども含め、

「意味」「字面」「語呂」という三つの見地から読み返すべきという事で、

「内容さえ良ければ、きっと読まれるはず!」という淡い気持ちは捨てて、読み心地の良い文章を追求するサービス精神が大事だと痛感させられました。

この章に書かれている事を当たり前に、無意識レベルでできるようになると、文書力が一気に上がるだろうなと思わされる章でした。


第三章 もっと明快に

「伝わる文章にするために、読者の負担を取り除こう」

コレがこの章におけるキーとなる部分でした。

本当に「最も」なことばかりで、文章を書いていくと、どうしても余計な言葉や単語が多くなりがちで、文章も無意味に長くなりがちなんですよね。

言葉を増やしてしまうことによって、「何となくそれっぽい」文章が欠けている気になるんですよね。。。

この章では「書くこと」よりも、それらを「削っていく」作業が中心になっています。

「余談」をだらだら書いて話を脱線さすなよ、と(笑)耳が痛くなることも書かれていましたが、非常にごもっともなので反論の余地は1ミリもありません。。。


第四章 もっとスムーズに

「読者に伝わる丁寧な文章にしていく」

珍しい言葉や、価値を見せつけるような言葉に頼らず、丁寧な言葉を持ってスムーズに語りかける。

そのためには、世間では正解とされている「スピード感のある文章」さえもこの章では否定されていて、

「適切なスピード感のある文章」であるべきだと。このサジ加減なんですよね。

余計なものを省いてスピード感のある文章というところにのみフォーカスを当てすぎると、読者を置いてきぼりにしてしまい「読者に伝わる丁寧な文章」にはなり得ないんですよね。

そしてここでいうスピード感とは、「文字数辺りの情報量」とおっしゃっています。


長尺の文章は読者が離脱しますし、短い文章(スピード感のある文章)は、ぶっきらぼうで読む気持ちが失せる。

要するに、まずスピードを出すことを覚えたら、今度は適切な速度を出せるように、スピードコントロールを身につける。読者にとって快適な速度が、完璧な文章。そのためには、という事が書かれています。


第五章 読んでもらう工夫

いよいよ最後の章になりますが

ここでは「様々な種類の文章に対応」することについて書かれています。

例えば「企画書」だったり、「長い文章」だったり。文章を伝える工夫というのは仕事にも通ずることだと。仕事力全体の向上にも結果として繋がるんだと、そういうことも書かれております。


「良い意味での表面的なテクニック」なども具体的な例を用いて書かれています。

例えば「人物名で始めると読者の目を引きやすい」など。

「小手先のテクニック」と捉えるとき声は悪いですが、相手に読んでもらう最後の人足掻き、最後の一工夫、それが良い文章にさらに磨きをかけてくれるんですね。

本当に読み応えのある一冊でした。


最後に

最後に、自分が「コレはタメになるなぁ」と思わされた所があったので紹介させていただきます。

僕はデザイン関係に携わる仕事をしているのですが、

本書では「文章をヴィジュアル的にデザインする」といった事が書かれていました。

例えば、漢字が多い文章だと画面が黒っぽく」なり、「ひらがなやカタカナが多いと画面が白っぽくなる」と。白黒の具合を意図的にうまくコントロールしていきましょう、と。

デザインに携わっている僕としては非常に「スッと」入ってきましたし、「文章をデザイン」するという技に驚きました。

画面の白黒具合を見て、「ここはあえて漢字ではなくカタカナ表記にしよう」など、そういった新しい視点に気づく事ができました。

コレはまだまだ奥が深そうです。。。

何度も読み返すべき一冊に出会えました!